イボ・首いぼ
いぼ
いぼは、手足に好発し、表面がガサガサして僅かに隆起していることが多く、自然に消えることもありますが、徐々に大きくなったり、他の部位にうつったり、他人にうつしたりする傾向があります。ヒトパピローマウイルスによる感染症で、自覚症状の無いのことがほとんどですが、体重の掛かる足底などではイボが硬くなると痛みを感じることがあり、タコやウオノメと勘違いされていることがあります。足のイボを気になって触っていたら手指にうつってしまった、という幼児や小児も少なくありません。
治療の基本は液体窒素による冷凍凝固ですが、外用療法や内服療法もありますのでご相談ください。
首いぼ
首いぼは、首に出来るイボ様の小腫瘤の俗称で、ウイルス性の”本当の”イボの場合もありますが、多くは脂漏性角化症や軟性線維腫といった皮膚の良性腫瘍です。加齢性のものですが、でき易い体質の方は比較的若い時から多発することがあります。見掛け上の問題に加えて、ある程度大きくなると衣服の脱着の際などに引っ掛けての痛みや出血を経験するようになります。比較的簡単に取れることが多いので、気になり始めたら、気軽にご相談ください。
タコ・うおのめ
タコ
「タコ」は、「うおのめ」と同様で継続的に機械的刺激を受ける皮膚(足底や足趾など)が硬くなった状態です。硬くなった角質が皮膚の表面側に大きくなっていくのが「タコ」ですので、痛みを感じることは比較的まれです。
角質が成長しすぎた時には削る処置をしますが、基本的な治療は皮膚を柔らかくする外用薬と機械的刺激を分散するような工夫です。また「タコ」を、ウイルス感染症である「いぼ」と自己判断している場合もありますので、迷うようなら、まずはご相談ください。
うおのめ
「うおのめ」は、「タコ」と同様で継続的に機械的刺激を受ける皮膚(足底や足趾など)が硬くなった状態です。硬くなった角質が皮膚の奥側に大きくなっていくのが「うおのめ」ですので、”芯”と呼ばれる硬い角質塊が成長し、大きくなりすぎると痛みを感じるようになります。
基本的な治療は硬い角質塊である”芯”を摘出する処置です。これにより痛みは嘘のように消退することが少なくありません。ただ処置したままにしておくと比較的短期間に再発する可能性があるので、皮膚を柔らかくする外用薬と機械的刺激を分散するような工夫を併用することが大切です。
また「うおのめ」を、ウイルス感染症である「いぼ」と自己判断している場合もありますので、痛みや違和感を感じるようになったら我慢せずご相談ください。
巻き爪
巻き爪は、正式には湾曲爪と言い、標準的な爪(僅かに湾曲しているのが普通)に比べて大きく湾曲している状態を言います。原因としては、体質(遺伝)、靴の中での圧迫(機械的刺激)、爪外傷後、爪白癬などがあります。
痛みなどの症状がなければ、見かけ上の問題なので経過観察でも問題ありませんが、一部には爪白癬などの感染症が原因のことがありますので、心配なら診察をお勧めします。
陥入爪
陥入爪は、爪の側縁が爪側面の肉に食い込み(陥入)、陥入部が赤く腫れた状態を言います。巻き爪が原因であることがほとんどで、重症化すると陥入部に痛みが出現し、更に陥入部の傷からの細菌感染で周りに炎症が波及すれば、抗生剤の外用だけでなく抗生剤内服が必要となります。
急性期の治療は、痛みを緩和するための陥入部分の部分切除・部分抜去、細菌感染に対しての抗生剤の外用や内服、また炎症の結果として爪側面の肉が爪の上に張り出してくる(不良肉芽)ことに対しては除去する処置となります。